転職活動で一番最初に行うのが「自己分析」です。
自己分析は、あなたを企業へアピールするための効果的な材料を発見できる重要な手掛かりです。自己分析で発見したいくつもの材料があるからこそ、明確なキャリアプラン、自己成長の方向性、自分に合った働き方を見極めることが可能になります。
転職サイトへの会員登録、履歴書や職務経歴書の作成、面接など、あなた自身をアピールする場面は色々あります。
どの場面でも使える効果的なアピール材料を見つけておきましょう。

これまで、2,000名以上の求職者を見てきた実体験をもとに、戦略的に転職するための情報をお届けしていきます。
見つけておくべきアピール材料
アピール材料は、大きく分けると「4つ」あります。
- 強みとスキル
- 価値観とモチベーション
- 適職とキャリアの方向性
- 人とのつながり
これらのアピール材料は、履歴書や職務経歴書の作成、面接、ネットワーキングの場での会話など、さまざまな場面であなたを効果的にアピールするために役立ちますので、一つずつ掘り下げていきましょう。
1. 強みとスキル
強みやスキルは、「専門技術や知識」「ソフトスキル」「実績や成果」の3つで構成します。
専門技術や専門知識
あなたが学習や経験を通じて習得した「特定の分野や業界に特化された技能や情報」のことを指します。あなたが担当する職務における問題解決やタスク遂行に要求される能力です。
専門技術の例
- ソフトウェア開発: JavaやPythonなどのプログラミング言語の運用、データベースの管理、各種アプリケーションの開発手法など。
- 医療分野: 疾患の正確な診断や効果的な治療法の適用、薬理学の知識を基にした薬剤選定、患者さんへのケア手順など。
- 会計学: 財務諸表の作成と解釈、コスト管理、税務関連の法規準拠、監査プロセスの遂行など。
- エンジニアリング: 機械や電気製品の設計原理、土木構造物の構築、プロジェクトの計画と管理など。

あなたが「仕事で担当していた具体的な作業」で箇条書きしましょう。
専門知識の例
- 法学: 法制度、裁判例、契約作成の原則、法的手続の遵守などの法律関連知識。
- 経済学: 経済理論の応用、市場動向の分析手法、経済政策の影響、各種金融商品の特徴など。
- ビジネス管理: マーケティングの戦略立案、組織内での人間関係の管理、効果的なリーダーシップの展開など。
- 心理学: 人間の発達段階に関する理論、精神疾患の治療法、行動変容技術、心理評価の手法など。
学校での履修課程・職場での実務経験・研修やセミナー・自己学習などを通じて習得したもの。として考えてください。

あなたが習得した知識は、誰でも習得している知識ではないですよね。
ソフトスキル
ソフトスキルは、
コミュニケーション能力、リーダーシップ、チームワーク、問題解決能力、創造性など、職場で効果的に働くために必要な人間関係のスキルのことを言います。
いくつかの例を参考にして、あなたのソフトスキルをまとめてみましょう。
ソフトスキルの例
【意思疎通】
自分の意見やアイデアを、言葉や書面ではっきりと伝え、誤解を避けることができるスキル。
【傾聴】
相手の言っていることを注意深く聞き、理解し、適切に反応することで、信頼関係を構築するスキル。
【チームワーク】
共通の目標を達成するために、他のメンバーと協力して作業を進めることで、チームの成果に貢献スキル。
【衝突解決】
意見の相違や対立が生じた場合に、建設的な方法で問題を解決することで、衝突を適切に管理し、和解に導くことができるスキル。
【問題解決】
問題に対して効果的な解決策を提案し、実行するスキル。
【ネットワーキング】
職場内外での人脈を構築、維持することで、新たな機会をもたらすスキル。
【共感】
他人の感情や立場(潜在ニーズ)に気づき、理解し、同調することで、相手からの信用や安心を得るスキル。
【自制】
自身の感情や反応を理解し、プレッシャーが高い状況でも感情を安定させるスキル。

あなたが「仕事をするうえで大切にしてきた考え方や姿勢」を思い返してみましょう。
実績や成果
面接担当者側からすると、どれだけ上手にアピールされても、ぶっちゃけ「中身が10割」です。
・過去の職務経験
・プロジェクトで達成した具体的な成果
・成功事例
・数値で示せる実績
効果的なアピールには、
これらを元にしたストーリーを用意します。
「あなたを採用したら、どんな良いことがあるの?」
という面接官の挑発に対して、
「私を採用したら、こんな良いことがありますよ」
というアピールで打ち負かしますための証明をしていきましょう。
ケース1:プロジェクト成功
内容:
過去の職務でチームリーダーとして、予算オーバーの問題に直面したプロジェクトを引き継ぎ、成功に導いた経験。
アピール例:
「過去のポジションでは、プロジェクトチームのリーダーとして、当初の予算を15%オーバーしていたプロジェクトを引き継ぎました。チームメンバー全員で問題解決の提案ができるよう、プロジェクト管理ツールを活用し、コミュニケーションを最適化することで、最終的に予算内でプロジェクトを完了でき、クライアントから次年度の契約更新をいただくことができました。この経験から、厳しい状況下でもチーム全員での目標達成に向けたリーダーシップが私の強みだと感じています。」
ケース2:営業成績の向上
内容:
営業職での勤務中に、自ら提案した新しい販売戦略を実施し、売上を大幅に向上させた実績。
アピール例:
「営業職として勤務していた際、市場調査と顧客分析に基づいて新たな販売戦略を提案・実施しました。その結果、担当エリアの売上が前年比で20%増加し、部門内1位の成績を成績を収めました。市場と顧客のニーズを正確に捉え、それらのデータに基く最適な戦略を立案・実行することの重要さを親身になってアドバイスしてくれた先輩にとても感謝しています。」
ケース3:コスト削減による利益向上
内容:
運用効率化プロジェクトを主導し、コスト削減と同時にサービス品質を維持した実績。
アピール例:
「前職では、運用効率化プロジェクトのリーダーとして、プロセスの見直しと技術の導入により、顧客に提供するサービスの品質を向上させながら、年間運用コストを30%削減することに成功しました。この経験から、効率的なコスト管理と品質管理のバランスを重視したサービス運用に自信があります。」
ケース4:新規事業立ち上げと市場拡大
内容:
新規事業立ち上げにおいて、市場調査から事業計画、実行までを一貫して担当し、短期間で市場シェアを拡大した実績。
アピール例:
「新規事業の立ち上げメンバーとして参加し、現地への視察やSNSを活用した市場調査データに基づいた事業計画を策定しました。定期的に効果測定を行い、迅速な軌道修正を実行したことで、予定より半年早く目標市場シェアの10%を獲得しました。この成功から、未知の市場に対する洞察力と、戦略から実行までの一連のプロセスを柔軟に対応する重要さを学びました。」
他にも例文を集約した記事があるので、そちらも参考にしてみてください。
2. 価値観とモチベーション
あなたが「どれだけの情熱を持って仕事に取り組んでいるか」を示すことも、重要なアピール材料となります。
「どんなことに、仕事の価値を感じているか」
「何をするとき、エネルギーを注いでいるか」
「何をしていると、あなたは駆り立てられるのか」
いくつかの例文を参考にしながら、あなたらしいアピールを考えてみましょう。
例1:イノベーションと創造性
「私は常にイノベーションを追求し、創造性を発揮することに価値を感じています。また、新しい技術を学び、未知の問題に挑戦することに情熱を感じます。前職では、市場に先駆けた新製品の開発プロジェクトをリードし、チームを率いて業界の新たな基準を打ち立てました。この経験から、困難な課題に直面しても、革新的なアイデアと戦略的思考で問題を解決できることを実証しました。私のモチベーションの源泉は、常に学び成長し続けることにあり、それが私を新たな挑戦へと駆り立てます。」
例2:貢献とサービス精神
「私は、自分の仕事を通じて他人や社会に貢献することに大きな価値を見出しています。前職では、顧客の使用経験を向上させるための機能改善提案を開発チームに提案し、その結果、製品のユーザビリティが20%向上し、顧客満足度が大幅に改善しました。この成功体験は、顧客の声を真摯に聞き、それを会社の成長や製品の改善に結びつけることの重要性を教えてくれました。顧客満足の向上や社会貢献における実績を通じて、自分の仕事やチームに価値をもたらす仕事に大きなやりがいを感じています。」
例3:自己成長と継続的学習
「バランスと柔軟性が、私のキャリアにおいて核となる価値観です。プロジェクト管理者としての前職では、緊迫した締め切りと高い目標を迎えながらも、チームのワークライフバランス維持に注力しました。特に注力したことは、フレキシブルな勤務時間の設定やリモートワークの選択肢を提供し、チームメンバーが仕事と私生活の調和を図れるようにしたことです。このアプローチはチームの士気を高め、生産性を向上させ、結果としてプロジェクトを期限よりも前に成功させることができました。さらに、柔軟性の面では、市場の急激な変化やクライアントの要求の変更にも迅速に適応しました。クライアントのフィードバックに基づいてプロジェクト計画を迅速に見直し、必要な変更を加える新戦略を速やかに策定・実行しました。このようにして、バランスと柔軟性を重視することで、厳しい条件下でもチームのウェルビーイングを維持し、変化への適応力を高め、目標の達成を可能にしてきました。」

堅苦しい文面を例として挙げていますが、
文脈や表現の仕方を参考にしてください。
※2種類のモチベーション
モチベーションには、個人が行動を起こすための「内発的な動機」と「外発的な刺激への反応」の2種類があります。
どちらにも、行動を促す原因や目的が含まれ、個人が特定の行動を選択し、持続させ、方向付ける際の重要な役割を果たします。モチベーションは、個人の目標達成、課題克服、または特定の活動への参加を促す力として機能します。
内発的モチベーション(Intrinsic Motivation)
個人の内部から生じるモチベーションで、自己達成感、好奇心、学習への喜び、個人の価値観や興味に基づく行動などがこれに該当します。内発的に動機付けられた行動は、自分自身のためや、活動そのものが持つ満足感から行われるため、持続性が高いとされています。
外発的モチベーション(Extrinsic Motivation)
外部の「報酬」や「罰」などに動機付けられるモチベーションで、金銭、評価、称賛、昇進、または罰を避けるための行動などが含まれます。外発的モチベーションは、特定の結果を達成するための手段としての行動を促しますが、内発的モチベーションに比べると、その活動への興味や満足感は必ずしも高くない場合があります。

価値観とモチベーションは「密接な関係」にあることが分かりますね。
3. 適職とキャリアの方向性
自分に合ったキャリアの方向性を明確しておくと、仕事の充実感は高くなります。
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